- CHARIN. -

 

所在地:大阪市西区
設計 :2001.06〜2001.08
施工 :2001.08〜2001.09
用途 :店舗
延床 :65.77m2
JCD2002 デザイン優秀賞 JCDデザイン新人賞
AWARD
PUBLISH
新建築 '02 2月号
年間日本の空間デザイン 2003
© Kaori Ichikawa
このショップでは、当初、ブディックと茶席という一見相容れない機能を納める空間が求められた。また、クライアントと話していく中で、将来的に扱う商品のジャンル、あるいは展開される活動も、現状では予想しえていないことがわかってきた。
そこで、ここでは、ある一時的な要求を満たすだけの固定的なインテリアではなく、使い手が今後様々な活動を展開するために、彼らの手で空間を変化できるように、諸々の要素を動かせるものとしている。床と同じ素材であるスギ足場板をつなぎ合わせた壁は天井のグリッド上に配置したターンバックルから吊られ、パーティションやディスプレイの機能をもたせ、その配置によって様々な店内レイアウトが可能となるように考えた。鋼管を加工したハンガーパイプやフィッティングルームも天井のターンバックル今後の時間と共に、空間にかかわる人々の店へのニーズ、空間に対する思考は変わっていくに違いなく、この空間は変から吊られ、その位置を自由に変えることができる。合板を曲げた棚方は、商品を置いたり、展示作品をおくためのもので、これも壁に設置した桟に引っかけられ、桟に沿って目的に応じた配置が可能である。
茶席となる畳床は、畳一枚ごとに取り付けられたキャスターによって移動すること、そして接続ファスナーによって接合させることが可能であり、利用用途、人数似合わせて畳床の形状、配置をきめることができる。そしてこれらの可動アイテムは、今後、その数、種類が増えることを見込んでいる。
現状で生まれてくる要求に対応して、ある完結したイメージや構成によって空間を作っても、3〜4年程度の短いタイムスパンで表層をがらりと変える結果に陥るという、店舗が一般的にもつ宿命を感じていた。このプロジェクトではその宿命を越えて、ミニマムなフレームに支えられて、変わっていくことを許容しながら、なおかつ残っていく空間ができないかと言うことを考えていた。
現実にクライアントとの最近の会話の中では、これからショップで展開しようとしている活動も、ギャラリー、茶会など、これまでに想定していた機能・業務を超えたものが話に上り始めている。化し続けていくであろう。
わたしはこれまでにも「URBANFOREST」の活動で、変化していく建築のあり方を模索してきた。あるアイデアコンペで対象をいただいた案では、建築の一要素である壁を取り上げ、これに動的な性格を与えることで、建築が人の動きを制限せず、むしろさまざまな出来事を誘発する可能性を持つことを考えていた。美容室「VAJRA」では、美容院、カフェ、ギャラリー、そしてプラスアルファの多機能を同時に存在させるワンルーム空間を考え、自然光と人間の動きで変化していく空間をつくりだそうとした。そして今回もその延長で空間の可能性を見いだそうと試みている。なぜなら空間を固定的にしてしまうことが、使い手の活動を抑制していくと判断したからだ。
建築のプログラムによって、ある機能や用途に対して一対一に対応してつくられたスタティックな空間ではなく、人間のアクティビティや時間軸によって変化していくキネティックな空間が求められているのではないだろうか。
INTERIOR WORLD