この建築は堺市の庭代台、泉北ニュータウンの閑静な住宅地に計画されている。
彫刻家の父、陶芸家の母と娘の3人が住む住宅である。住宅でありながら、陶芸のアトリエ、ギャラリーの機能を併せ持っている。
住棟はコの字型の平面形態を持ち、中庭を取り囲む。この住宅は性格上、時には家全体がギャラリーになるために、外と内をあいまいにつなげるための構成を取っている。「中庭」は、住宅に採光や眺望をもたらす一方で、時には屋外の作品展示の場となり、面する西側道路に開き、近隣とのコミュニケーションの場となる。東側の「路地」は住み手の日常的な玄関アプローチであるが、この「中庭」と「路地」は住宅内部に設けられた「土間」につながり、イベント時にはひとつの連続した空間となり、住宅を外来者が通りぬけていくことが可能となる。
住宅は、スパイラル状に上昇していくひとつの連続した屋根の下で、ほぼワンルームの形態を取り、「生活」「創作」「展示」という3つの機能を内包しながらそれぞれのゾーニングは、時に応じて変わっていく。これらの外と内の移ろい、機能の移ろいは、雨戸や建具、可動畳そしてパーティションを用いて実現していく。