Tom

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CONCEPT
オーナーは地域で多数の美容室店舗を経営しており、今回は、他店舗とは異なる空間のアイデンティティーを求められた。またオーナーは、バリに魅せられた人で、今回の店舗では、そのバリの空気感を伝える表現が求められた。そこでイコンを用いる○○風の属性的な店舗にならないように、デザインアプローチを色々と検討した。

オーナーの意見で、現地で什器やディスプレイ用の小物を買い付けよう、そしてバリの実際の空気に触れようという話が盛り上がり、施主、設計者、施工者の3者で、バリ島を廻ることとなった。ところが現地に行ってぼくが興味を惹かれたのは、道端のあちらこちらのバラック小屋で売っている石やレンガやテラゾ等の安価な建築資材であった。その物価は、およそ日本の1/10である。限られた予算の中で、面白い事ができるのではないかと急遽作戦を変更し、空間に使える建築資材を探す旅となった。約5日間バリ中を駆け巡り、結局コンテナに素材をいっぱい積み込み、日本に持ち帰ってきて、内装、造作部材として利用した。セット鏡と南側ガラス面に取り付けた可動ルーバーは、バリ島の鉄細工の曲げや溶接の技術がローテクでありながらも面白いことを知り、今回は職人達を普段やり慣れている型式的な装飾細工から解放し、彼らの感性や技術の可能性を引き出せるようにデザインを現地で検討し、作ってもらったものである。

国内外を問わずその場所が持つ素材、技術のポテンシャルをデザインによって顕在化し、ハイブリッドな操作をすることによって空間の可能性は拡がっていく。今回はたまたまバリ島であったが、今後異なる魅力ある場所とデザインという行為を通して、インタラクティブな関係を築いていきたい。

The main purpose of the project was to recreate an authentic Bali experience – furniture, materials, staff, etc. To bring the feelings, textures, and impressions of Bali to the Japanese visitor while fostering an interactive relationship with the design. To attain this, materials were brought from Indonesia as well as Bali workers were employed to build the furniture, giving the space a sense of authenticity.



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