姫路の教会 / White chapel

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CONCEPT
姫路城に近接するテナントビルの最上階に位置するチャペルである。
北側に面して計画した姫路城を望む間口3.5M, 奥行き22M のチャペル空間は、通常は、西側に祭壇が置かれ、奥行きの長い空間として利用されるが、北側の外部テラス側の建具を解放すると、内外が一体の空間となり、姫路城を背にテラスに祭壇を配置し、間口の広い空間としても利用することが可能である。

内部空間は「しらさぎ」といわれる姫路城の色彩を継承し、北側からの反射光を採光することを考え、すべてを白で統一し、反射性の高い透明感のある空間をつくりだそうとした。 ただし、同じ白でも塗装や漆喰、ガラス、タイル等多様な素材を用いている。均質なグリッド格子のタイル床に対し、質感の異なるタイルが有機的なラインを描く様相は、姫路の格子状の都市グリッドに対し、有機的な姫路城を囲む堀とそれにつながる川のラインを引用した。

そして空間の北、南の両面に配置したレースカーテンは、かつて深い森であったこの場所を想い、そして姫路城の周りの桜と連続するようにと、林立する樹木を図像化して表した。このカーテンは3 枚を重ねてつくられることで、モアレ現象が起こり、薄い面でありながら森に見られるような深い奥行きを生み出すことができないかと考えた。

一見均質な空間のようでありながら、姫路城そしてこの場所の歴史を読み解きながら解答を導いた都市のビル中に存在するチャペル空間である。



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