BAMBOO FOREST & HUTS WITH WATER
水都大阪 2009 -水辺の文化座- Aqua Metropolis Osaka 2009

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CONCEPT
2009年8月22日から10月12日までの52日間大阪の中心部の中州である中之島で、「水都大阪」をテーマとしたイベントが52日間開催された。水と共に発展してきた大阪の街の歴史を再発見し、水の都・大阪の復興を広く伝えるためのシンボル的なイベントである。このイベントの切り口はアートと市民参加によって大阪の水辺を再度見直すことにある。

イベントの主会場として、中之島公園内に160組以上のアーティストが活動する場「水辺の文化座」を計画した。アーティストが活動するための7つの木造の小屋とそれらの中心部に竹造の屋根が覆う広場空間を設定した。7つの小屋は、モノづくり系ワークショップを行う「つくるところ」、日替わりの遊び系プログラムを開催する「あそぶところ」,音楽やダンス、トークイベントを開催する「はなすところ・みるところ」といったテーマに分かれる。「水都」というテーマにいかに応えるかを考え、資源がそこまで豊かでない大阪において、過去に発達した水運で外部から様々な物資を大阪に持ち運び、高い技術によってものづくりを行い、外部へと発信してきたように、水や陸の関西圏のネットワークを用いて身の回りに溢れる素材を集め、人々の力で新たなる建築がつくれないかと考えた。

6つの小屋は、車両運搬を考慮した1辺2.4mのコリンズ格子グリッドによって平面計画を行い、床・壁・屋根材全てを主には紀州産の構造用合板とリブ材による木製パネルのプレファブ工法とし、イベント終了後に解体・移設・再構築が容易なシステムを採用している。

残り1つの小屋「文化座劇場」も紀州べニアによる木製パネル工法で大阪市と大阪府の管理境界を跨ぐように堂島川に迫り出す計画とし、より川に近接しようとした。

また、水、都市、公園、そして水都祭のために一時的ではあるが何か象徴的な存在がつくり出せないかと色々と思案した結果、水のネットワークを利用して、水辺の自然環境を整備すると同時に素材を確保し、人々の力で加工し、空間をつくっていくという一連の行為をイベント化し、祭り空間へとエネルギーをつなぐ建築の姿を思い浮かべた。

「BAMBOO FOREST」という形でつくりあげた空間は、堂島川を上った琵琶湖に流れ込む犬上川の荒廃した竹林の生態を取り戻すために間伐した竹を中之島に持ち運び、組み立ててつくった広場で、竹の特性の「しなる」ということを活かした架構空間をつくろうとした。この竹架構は、会期中アーティストが作品を吊るしたり、シェードをかけたりと広場空間における人のアクティビティーを誘発するフレームである。

アーティストの市民参加型のワークショップへとエネルギーがつながるようにと建築もプロの施工者任せではなく、ワークショップでつくろうとし、関西圏の学生を中心に呼びかけ、総勢250人の参加者によってBAMBOO FORESTの伐採・現地での建て込み・仕上げと一部の小屋の壁面をつくりあげた。

そしてイベント終了後に竹は紙・竹炭・バイオマス等の再利用を検討しており、小屋は引き取り手を募集し、再建してもらおうと考えている。 循環を意識し、環境を整備しながら、均質な都市空間で人と自然の力による有機的な空間をつくろうとした。    



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